庭先で猫と遊ぶ玄徳さんを見つけた私は、彼の隣に腰を下ろした。 翼徳さんは猫も玄徳さんに相談事をしているなんて言っていたけれど、 きっと私のように玄徳さんのまとう空気に居心地の良さを感じているのだと思った。





Θ しあわせは猫のかたち Θ





玄徳さんの指にじゃれていた猫が、私の存在に気付いてちょこんと膝にのった。 多少のくすぐったさはあったけれど、猫の可愛さに我慢してそのままそっと背中を撫でてみた。 すると気持ちが良かったのか、猫は「にゃー」と鳴いてそのまま膝の上で丸くなってしまった。

「ふふっ、可愛いですね」

玄徳さんに声をかけると、彼はおもむろに猫の首根っこを掴んで膝から引き離してしまった。

「玄徳さん?!」
「ここは駄目だ」

自分の顔の前に持ってきた猫にキッパリとそう告げると、空いた私の膝にゴロンと横になってしまう。

「げ、玄徳さん?!」
「ここは、俺のだろう?」

そんなふうに問いかけられては違いますなんて言えるはずもなく、

「……そう、ですけど」

と小さく返せば彼は満足そうに微笑んだ。

「というわけでお前はこっち」

玄徳さんはそのまま猫を自分のお腹に載せ、私がしていたように背中を撫でた。 それを見て私も玄徳さんの頭を撫でながら、なんだか幸せだなーと実感していたら、

「こういうのも、悪くないな」

と彼が笑うから、同じようなことを考えていたのかなと嬉しくなった。 「そうですね」と私が答えるより早く、

「にゃっ」

と玄徳さんのお腹で猫が鳴くものだから、ほんの少し猫に嫉妬した。 今度は私が猫を捕まえて玄徳さんに甘えるのは、このすぐあとだ。


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玄徳さんは自分のお腹で甘えさせるけど、仲謀は全力で猫を放り投げるかとw