Θ 晴れた日の未来図(※ED後妄想です) Θ



我が家には子供が二人いる。 一人は大好きな一さんに良く似た、無口な男の子。そしてもう一人は一さん自身だ。




「そうして見るとほんとそっくりですね」

思わずそう呟いて笑ってしまった。 目の前にはムスッと面白くなさそうな顔の一さん。 その腕の中には同じ顔をした男の子が、表情を変えずにいた。

「自分ではよく分からない……」

一さんの腕から私の腕に息子が託される。 両腕で抱きしめると嬉しそうに微笑むから、私まで笑みがこぼれる。 すると一さんは無言で私を見つめる。

「どうかしましたか?」

子供をあやしながらそう尋ねると、

「面白くない」

ムスッとした顔のままそう告げる。

「俺よりそいつに惚れているみたいだ」
「なっ…、何言ってるんですか……!」

実の我が子に妬いてしまう一さんに、顔が赤くなるのを実感した。 これがよその家庭の話だったら「何を馬鹿な……」と聞いているだろうけれど、 一さんは本気で妬いているようでこっちが恥ずかしくなってしまった。

「……そいつばかり構うな」

一さんは息子ごと私を抱きしめると、ゆっくりと唇を重ねた。 子供の見ている前で何てことをと抗議しようと口を開けば、待っていたとばかりに舌が滑り込んだ。

「……は、一さん…の……ばか……」

ようやく解放された私が、精一杯睨みつけてそう口にするのだが、真っ赤な顔では半分の威力も発揮されない。



「もう。この子が起きてるときは駄目ですって言ってるのに」
「だが、触れないとお前はいつまでたってもそいつばかり構う」
「子供だから当然です。一さんは子供じゃないんだから我慢して下さい」
「……子供の方が得だ」

表情を変えずに淡々と口にするのは昔から全然変らなくて、

「子供だとさっきみたいなこと出来ないですけど良いんですか?」
「困る」

すぐに返された言葉に、私はぷっと吹きだしてしまった。

「じゃ、我慢できますよね?」
「……努力しよう」

そう返事したのに一さんが私にじゃれつくのはいつものことで、 一さんに甘い私は結局は彼の好きにさせてしまうのだった。



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ユウさんと萌え語りした斎藤家です。息子さんは斎藤さんそっくりで無口無表情だといい。