Θ [06] 頬に触れる (キュンとくる10のお題) Θ



「な、なな、永倉さんっ……」
「ん? どーした? 千鶴ちゃん」
「あの…ですね」
「うん?」
「えーと、その……」
「うん」
「だから、ええっと」
「落ち着いて、ゆっくり話してみろって。な」
「は、はい。えと……あの、ああああ」
「くくっ、変な千鶴ちゃんだな」

そう言って永倉さんは私の頬を両手で包むと目の高さを合わせるように屈んでくれた。
すぐ近くにある永倉さんの顔に、ますます私は落ち着かなくなってくる。

「茹でだこみてーに真っ赤だな」
「…………ッ」
「気に障ったか? 可愛いって褒めたつもりだったんだけど」
「〜〜〜ッ」
「ほんとに変な千鶴ちゃんだな。ますます真っ赤になってら」
「千鶴。こんなにぶいやつのどこがいいんだ?」
「あ? 左之、どーゆー意味だよ」
「そのまんまの意味だ。なぁ? 千鶴」



(今日こそ気持ちを伝えようと意気込んだのにまた空振り!!)




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たまには千鶴→永倉で。 お題配布元:あなぐら(http://99.jpn.org/ag/)