Θ [04] もたれかかる (キュンとくる10のお題) Θ
千鶴ちゃんが教えて欲しいと言ったので、薩長との戦いについての俺なりの考えを語っていた。
縁側に並んで腰掛けて、お茶を飲みながらのんびりとした時間。
最初のうちは真剣に聞いてくるから、左之や平助なんかよりよっぽど見込みがあると思った。
あいつらは人に話を振っておいて、気付くと横になって寝てるのだ。
「……っつーわけで……うおっ!」
とん、と肩に重みがかかった。
振り返れば千鶴ちゃんが俺の肩を枕に眠っていた。
あんなに興味心身だった瞳は重く閉じられ、開きそうにない。
「そんなに俺の話は眠いかね」
いつだったか左之に言われた言葉を思い出して苦笑した。
一応自分の中で分かりやすく噛み砕いて説明したはずだったのだが、
彼女が二人より真剣に聞いてくれるもんだから夢中で喋ってしまったのかもしれない。
「しゃーね。今度はうまい団子屋の話でもしてやっか」
そう口にしたら彼女が微かに微笑んだように見えたので、
目が覚めたら団子屋に誘うのも悪くないと思った。
(な…なんで私、永倉さんを枕に寝てるんだろう)