Θ [04] 嬉しさに桜色に染まる頬 (身体の部分) Θ
「どした? んな真っ赤な顔して」
「あ…赤くもなりますよ」
「そか?」
「そうです」
だって、想像すらできなかった。
原田さんが私のことを好きだなんて。
そんな夢みたいなことが現実になるなんて。
「固まってねーで早く返事を言ってくれねーか?」
「言わなくても分かってるじゃないですか」
恥かしさから原田さんを見つめることができず、
視線を外してそう漏らすと、
「ばーか。そういうのは相手の口から聞いてこそ意味があるってもんだ」
原田さんの言葉に後押しされるように、私はポツリと告げた。
「……きです」
「あ?」
「好き……です」
「聞こえねーよ」
「原田さんのことが……っ!」
ガバッと顔を上げた瞬間、待ってましたとばかりに唇が奪われる。
私は真っ赤な顔を更に染め、パクパクと金魚のように口を動かしながら原田さんを見つめる。
「ますます真っ赤になったな」
「〜〜〜ッ、だ、誰のせいですか!」
「あ? 俺のせいだろ?」
あまりに驚いて、少し強く言ってしまったのに、原田さんはシレッと答え笑った。
きっと彼の隣にいれば私はいつだってこんなふうに赤く染められてしまうのだろうけれど、
恥かしい分、嬉しさも含まれているから、
「……もう」
怒ったように口を尖らせながらも、思わず微笑んでしまうのだった。
(でもたまには原田さんの赤い反応も見て見たいな)