今日もまた、ギルと並んでにジェラートを食べていた。 当然とでもいうように、彼は「一口貰うぞ」と言って私のジェラートにかぶりついた。 ギルにとっては当たり前の行動でも私にとっては思ってもいない行動で、真っ赤な顔で固まってしまう。

「ん? どうかしたのか、リリィ」

そんな私をいつも通りの表情でギルは見つめ、自分のジェラートを美味しそうに食べていた。 いつもいつも私ばかりなのだ。ギルの行動でドキドキして、ギルの行動で真っ赤になって。

「おい、リリィ」
「え?」

少し焦ったようなギルの声が聞こえたかと思うと、彼はそのまま私のジェラートへと再び顔を近づけた。

「?!」

正確に言うならばジェラートを持つ私の指へと顔を近づけ、あろうことかそのままペロリと舐めあげた。

「ギ、ギル!!」

さすがに抗議の声をあげれば

「何度も声掛けただろ」

どうして私がそんな声を上げたのか分かっていないようでギルは首を傾げながら再び私のジェラートを一口奪っていった。 きっとギルにとってはただ単にジェラートがもったいなかっただけで、誰に対しても行っている行動なのだ。

「やっぱあんたの食べてるジェラートのがうまいな」

そう言ってニカッと笑った彼は

「あ、ちょっと違うか」

私の方へと顔を近づけ、スマートに唇を奪った。

「あんたと一緒だからこんなにうまいんだな」

一人うんうんと頷いて納得してしまう。 けれど私は今の行動に頭が全くついていかず、余計に顔を真っ赤にさせるのだった。






「頭が痛い」

ぽつりと漏れたその言葉に

「あんた意外とがっつくんだな。もっとゆっくり食べないと」

ジェラートのせいだと思っているギルはそんな返事をするものだから盛大なため息を返してやるのだった。




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