ダンテのカフェオレにはいつもたっぷりのお砂糖を入れるのだけれど、 怪我を診に来たお医者さんに「糖分過多」を注意されてしまってからはお砂糖少なめにしている。

「……リリィ」

一口飲んですぐに不服そうな顔をするダンテ。

「そんな顔をしても駄目よ。お医者様にも言われちゃったんだから」

「まだ何も言っていない」

そう答えたダンテを見て、ニコラはクスクスと楽しそうに笑っている。 そしてダンテに見せつけるように自分のカップにお砂糖を入れた。

「あぁもう、ニコラ。そんなことしたら」

「俺のにも入れろ」

ダンテはニコラに向けてカップを差し出した。

「駄目です」
「リリィには言っていない」
「言われてないけど駄目です」

ピシャリと言い放つと

「……わかった。砂糖が駄目なら別のものがほしい」
「別のもの?」

きょとんと首を傾げる私にニコラは自分の唇をちょんちょんと指差した。 その意図に気付いて顔を赤くした私がダンテへ顔を向けると、正解とばかりに頷いていた。

「いやいやいや、ニコラもいるし、無理ですからね。絶対に」

私の言葉にダンテは視線だけをニコラに向けると

「やれやれ。いじわるのつもりがお砂糖入れすぎちゃったかな」

なんて言って立ちあがり

「新しいの作ってこなきゃ」

自分のカップを持ってサロンを出て行ってしまった。

「さ、これで邪魔者はいなくなった」

そんな事を告げるダンテに

「だ、誰も見てないなら一杯だけならお砂糖入れてもいいですよ?」

そう提案してみたものの

「そっちの甘さは求めていない」

にやりと笑うダンテに却下され、ゆっくりと近づく彼に観念してを閉じるのだった。



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ピクシブにあげたのでこっちにも。甘党ダンテ可愛いです