久しぶりに天気が良くなったので、今日はいろいろと買い物をしようと昨日の晩から決めていた。 けれど、朝起きてみると太陽は出ていても気温は低く、ベッドから出たくなくなってしまった。



Θ 寒い日の過ごし方 Θ





「いつまで寝てんだよ」

事前に手伝ってと伝えていたレインはもう出かける準備が整ったらしく、 起きてこない私の元へとやってきた。

「やだ」

けれど私は、引っぺがされそうな布団にしがみついて、そのままゴロンと寝返りを打つ。

「はあ?」
「いかない」

そう告げるとレインは怒ったように力いっぱい布団を引っ張った。

「おまえなぁ。買いたいもんがたくさんあるっつったのは、おまえだろ」
「寒いからいい」

布団が千切れてしまうんじゃないかと不安になるぐらい、お互いに引っ張り合う。

「寒いって」

呆れたようにそう呟くと、レインの手から力が抜けたようだ。

「荷物は配達してもえばいい」
「んじゃ今日一日どーすんだよ」

その問いかけにようやく布団から顔を出すと、

「ぬくぬくする」

と私は答えた。

「あのなぁ……」

再び呆れたような声が降ってきたので、

「レインとぬくぬくする」

そう言って、私は布団から両腕を出した。

「は? おまえ、意味わかっていってんの?」
「?」

レインの言葉に首を傾げると、

「でかけねーなら、今日一日こーしてんぞ」

と言ってレインは私の伸ばした両腕に導かれるようにベッドに寝転んだ。 お互いの体温を感じるように、ぎゅっと抱きつく。

「いいよ。寒いより全然いい」
「おまえの判断基準、なんかムカつく」

そう言いながらもレインはおとなしく私の抱き枕になってくれた。



途中何度かレインが悪戯してきたけれど、ネロに阻まれていたのはまた別の話。 私は気の済むまでレインとぬくぬくできたから、幸せな一日だった。




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公式ブログのSS読んだら書きたくなった。