Baby rabbits
「藍澄ってウサギみたいだよな」
「えぇ? 私が……ですか?」
唐突にそんなことを言われ、藍澄は目を丸めた。
例えられた動物自体は愛らしいイメージがあるため、正直嬉しいのだけれど、
アルヴァがどういう意味でそう告げたのかが分からないからだ。
「雪乃にいじめられて目を真っ赤にして……」
「むっ。私そんなにいつもメソメソ泣いてませんよ」
「ってことは時々は泣いてるのか」
「うっ。…………はい」
自分の情けない部分を暴露するはめになり、しゅんと項垂れた藍澄を見て、
アルヴァはくくっと笑う。
「ほんとにウサギみたいだな」
思わず手を伸ばし、わしゃわしゃとその頭を撫でる。
「目が放せなくて、放っておけなくて。そんなところもそっくりだ」
「そ、そんなに心配かけてますか?」
あんまりな言われように顔をあげると、アルヴァは困ったように笑っていた。
「どっちかっていうと俺が目で追ってるだけなんだけどな」
「アルヴァさん面倒見いいですもんね」
ニコリと笑って答える藍澄に、アルヴァはますます困ったように笑った。
「……藍澄だから、目が離せないんだけどな」
「それって私が一人前の艦長じゃないから……ですよね?」
首を傾げる藍澄に、アルヴァは「参ったね」と笑う。
そんな彼に藍澄はますます首を傾げるのだった。
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(好きな動物ネタ。きっとアルヴァの方が寂しくてウサギに構うと思う)