頼れるお兄さん的存在の一君は、B6では皆のお母さん的存在だ。
バカサイユでご飯を食べているとその様子がよくわかる。
Θ
窒息しそう、君のせいで Θ
「翼、好き嫌いすんな」
「瞬、ちゃんと飯食わないとバイト中に腹へって食費がかかるぞ」
「悟郎、突然跳ねるな」
「清春は食いながらしゃべんな」
「あー…瑞希は寝るな」
そんな会話はここでは日常茶飯事だ。
ご飯に招待された私はそんな会話を聞きながら微笑ましく思ってしまう。
「一君って皆のお母さんみたいね」
思わず告げると一君はちょっと困ったように笑った。
「どうせならカッコイイお兄さんがいいぜ」
「自分でカッコイイとかいっちゃうの?」
笑って尋ねると一君はぐぃと顔を近付けてきた。
いくら生徒だとわかっていても一君はカッコイイのだ。ドキドキして目が離せなくなる。
そのまま見つめ合う形になると、悟郎君が声を上げた。
「ほーら、ツバサぁ。ママがウキワしてるよー」
「What? 海にでも行くのか?」
「えー、じゃあゴロちゃんビキニ買わなきゃ」
「こらこらこらこら。それを言うなら浮気でしょ。う・わ・き!」
思わずつっこむと悟郎君はテヘッとはにかみながら舌を出した。
「ほらほらツバサ。ママの浮気止めなくていいの?」
「Why ? 何故この俺が?」
そうたずねた翼君に、悟郎君は微笑みながら告げた。
「だって、ハジメがママならパパはツバサしかいないじゃん」
「一が俺のwifeだと?」
翼君は眼鏡をかけなおしながら高らかに笑い出した。
「それはいい。担任のような気配りの足りない女より、断然一の方が使えるな」
「うんうん。ゴロちゃんも、ハジメがママだったら毎日ハグするー」
そんな二人の会話を、私と一君は顔を見合わせて聞いていた。
それからどちらからともなくプッと笑うと、
「ほら。私だけじゃなくてみんな一君のことお母さんみたいに思ってるんだよ」
と告げた。
「……あんたなぁ。今、翼に散々なこと言われたんだぞ? ちっとは怒れよ」
「え?」
一君が褒められたことしか頭になかった私は、自分のことは聞き逃していた。
一体私のことをなんて言っていたのだろう。
気になって必死に会話を思い出す私の耳元で、一君はボソリと一言囁くと
「ほら。翼も悟郎も。んなこと言ってねーで飯を食えっての。あ、瑞希起きろって」
再びみんなのお母さん役へと戻ってしまった。
けれど私はそれどころではなかった。一君の言った一言が、まだ耳に残っていた。
「俺はママよりパパがいいな。んでもって、ママはもちろん先生な」
いつもの爽やかな笑みで言われて、冗談なのか本気なのかサッパリわからない。
けれど、囁かれた耳が熱くて、胸がドキドキしていっぱいで、
私はこれ以上ご飯を食べることが出来ないのだった。
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(一君がB6のママならパパは翼しかいないなぁと。キャラ同士の呼び方がいまいち覚えられませんorz)